タイトネス ~運動面の“2極化”の問題~

November 10, 2016

いつもホームページをご覧いただき、ありがとうございます!

 

 

さて、

タイトネス・・・

主に筋肉の緊張、柔軟性不良の状態を指します。

その詳細につきましては、前回の記事(タイトネス ~筋の柔軟性の問題~)をご参照ください。

 

今回は具体例を交えながら、

「子どもの運動とタイトネス」の関係について詳しく迫ってみたいと思います。

 

両手首の骨折・・・ ある中学1年生の男子生徒の例です。

手首の骨が、左右とも同時に折れてしまいました。

男子生徒が思わぬけがをしたのは、体育の授業で跳び箱を跳んだときでした。

状況は、「頭から前のめりの姿勢で落ちてしまった」ことが原因。

さらに、結果を悪くしてしまったことは、

『バランスを崩して手をついた際、“手首が充分に返らなかった”こと』

でした。

 

埼玉県のある中学校で、2年間、専門医(整形外科医)の監修の下、

体幹の硬さをチェックする体前屈や、手首の動く範囲を調べるグーパー運動など、

5つの動きを見て運動器が正しく機能しているかをチェックしたところ、

関節や筋肉など、子どもたちの運動器に関して、驚くべき(残念な)結果が明らかになりました。

 

例えば、

 

下半身の硬さが表れる「しゃがみ込み」については・・・

“14%”の生徒ができませんでした

 

「グー、パー」については・・・

実に、“25%”の生徒、つまり4人に1人が、手首が十分に反り返らないことが分かりました。

 

検査の結果、

『半数以上(52.8%)の生徒の運動器が、充分に機能していない』ことが判明しました!

 

これは、関東地方の埼玉県にある、ひとつの中学校における例ですが、

この状況は、“全国的に”起こっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※文部科学省発行「元気アップハンドブック(小学校高学年用)」参照

 

この原因は、子どもの運動面における2極化が原因だといわれています。

つまり、

日常生活の中で

 ❶『子どもたちが身体を動かす量(時間や頻度)』

 ❷『動きのバリエーション(多様性)』

が、“減っている”ことが理由にあげられます。

 

また、中学校男子の授業以外での1週間の運動時間を調べますと、

1週間に7時間以上運動する子と、1時間未満の子で2極化していることが分かりました。

 

さらに、

1時間未満の子どもを分析すると、

ゲームやネットなどで全く運動しない子が80%近くに上ります。

 

これでは当然、運動器の機能が充分に育たないことになります。

 

 

一方で積極的に運動をする子どもにも、

運動器の機能不全や障害になるケースが少なくないということです。

 

運動が習慣化している子の身体に問題が・・・?

とても意外なことです。

 

次に、

九州のある大学病院で、院内の特殊な装置で、「運動器の動き」を解析しました。

 

 ▲前屈を行った際、床に全く手が届かない

 ▲深くしゃがみ込むと、尻餅をついてしまう

 

この男子の骨盤を解析装置で確認しますと、

床まで手が届く子どもは、骨盤が90度近く曲がっているのに対し、

身体の硬いこの男子は、ほとんど(骨盤が)曲がっていないことが判明しました。

そして足首については、足首周辺の運動器が硬く、充分に曲がりきれていないことも分かりました。

 

さらに、驚くことに、この男子・・・

1週間に10時間以上も、サッカーに打ち込んでいる「運動量の多い」子どもでした。

 

日々身体を動かしている子は、

トレーニングにより、脚の筋力も鍛えられ、全身の運動器も充分に働くものと考えられがちです。

 

ただ、現実は異なります。

 

さらに・・・ここ愛知県内のサッカープロショップのスタッフの方の、生の声です。

 

  ◇ある小学校高学年の男の子(サッカープロショップのお客さん)・・・

   サッカーが大好きで、ボールを蹴るのが大好きで、

   学校に行く前に、朝早く起きて2時間の自主練習。 

   そして、学校終了後クラブチームの練習。

   さらに、毎週末試合。

   その結果・・・

   とうとう、足を痛めてしまい、 1年以上サッカーが出来なくなってしまいました。

 

サッカーは、競技特性上、一般的に脚が強いと考えられています。

一方で、ふくらはぎや太ももなどの筋肉が過度についてしまい、

柔軟性や運動機能の、バランスが損なわれているともいわれています。

 

しかし、本当のところの問題は、

運動をしている(*この場合ですとサッカーをしている)ことが問題なのではなく・・・

 

 「身体の限度を超えた負荷」

 「ある箇所(*例えば、太腿前面)しか使わない運動の弊害」

 

この『偏り』こそが、問題の根源にあることを押えておく必要があります。

決して、サッカーという下肢を中心に使うスポーツをしていることが、原因ではありません。

 

下肢が硬くなるのは、

骨盤周辺、大腿(もも)、下腿(すね、ふくらはぎ)、足底(足のうら)の筋肉に

何らかの問題があるからです。

特に、“前屈ができない”場合は、

直接的に「骨盤の動きと太腿裏の筋肉の伸び」に問題があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★骨盤

実は、「身体を前に曲げるのは、股関節の役目」です。

具体的には、股関節を支点に、この“骨盤ごと前に傾ける”ことができますと、

スムーズに前にかがむことができます。

反対に、股関節周辺の筋肉が硬く(骨盤を動かすことが困難である)と、

動作はぎこちなく、末端の部分(*下肢、上肢)に疲れや痛みがでやすくなります。

また、立位、座位で、骨盤が正しい位置にない場合、姿勢は崩れます。

 ⇒参照記事:ひざの痛み -オスグッド・シュラッター病- “原因その1”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハムストリング

ハムストリングとは、太腿(ふともも)の裏側の筋肉の総称で、

この筋肉は、下肢の動き作りや運動能力に大きく影響する部分です。

ハムストリングは、“アクセル筋”とも呼ばれ、

身体を前に持っていくために非常に重要な働きをします。

このため、陸上競技やその他のス ポーツでも、ハムストリングを上手く使えることが、

ひとつのカギともなります。

一方、この筋肉の柔軟性が低下しますと、前屈を行うことが困難になるばかりでなく、

脚の動きが低下、さらに強い負荷をかけて走ると筋損傷(肉離れ)を起こしやすくなります。

 

 

子どもたちのタイトネスの原因・・・

 

それは、

 

●日常、運動すること自体の少なさ

●日常、“身体構造”や“年齢”を無視した運動を重ねる

 

この2点が問題 なのです。

 

 

運動面の2極化

この問題が、日本の子どもたちの目の前にあることを理解し、

改善することが大切です。

 

繰り返しますが、

大きな問題は、運動をしない(運動する時間が少ない)ことなのです。

また、一方で

「何らかのスポーツを熱心に取り組んでいるからタイトネスになる・・・」

という考えは、それは大きな誤りです。

 

一流のアスリートは、決してタイトネスではありません。

 

👇メジャーリーガーのイチロー選手(マイアミ・マーリンズ)のウォーミングアップの様子をご確認ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大人の“正しい働きがけ(言葉がけや指導)”で、

『子どもたちは正しく成長する』ことができます!!

 

 

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