正しい水分・ナトリウムの補給

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さて、今年も7月の10日が過ぎ、例年通り気温が上昇してきました。

街角でも熱中症予防グッズ、食品等の多くを目にします。

そこで、必ず出てきますのが、

“水分補給”

ですが、近年ではさらに

“塩分補給”

が加わってきました。

現代では、気温や湿度の高い環境下で運動する際に、

水分を補給することの重要性は、既に一般的になってきました。

スポーツを行う上において適切な水分補給は、

重要な「生理的機能の維持」に役立つだけではなく、

競技者の疲労感を減らし、

運動能力の向上にも大きく関与します。

さらに、

その運動中は水分摂取と併せて、

塩分(ナトリウム)を摂ることも広く知られるようになりました。

ただ一方で、

それらをたくさん摂るだけで良いのでしょうか?

熱中症は、水分と塩分の補給だけで防げるのでしょうか??

何ごとにもいえることですが・・・

『何』を

『どのくらい取り入れるのか』が

“重要”で

ただやみくもに摂取すれば良いというものではありません。

そこで今回は、正しい水分補給とナトリウムについて考えたいと思います。

日頃、当たり前に補給している水・・・なぜ人間に水分が必要なのでしょうか?

水分の主な働きは次の2つです。

❶栄養分などを血液(←水分)に乗せ、身体のすみずみまで運ぶ役割

 また一方で、不要になった成分の排出する役割

❷汗となって体温を一定に保つ、

 ラジエーター(*熱を放熱する装置)の働き

その他、

食べ物を消化するための唾液・胃液なども血液中の水分からできています。

【運動時の水分補給のポイント】

成人が一日に摂取するとよい水分量は、1.5リットル程度といわれています。

もちろんこの数字は、平常時(*運動をしていない状態)です。

ただ運動をしていない時も汗や尿は、体内から出ていきますので、その失われる分を補給し、

血液がスムーズに流れるために適切な水分補給は、非常に重要なことです。

さらに、ここに運動による多量の発汗などを考慮しますと、その割合は自ずと変わってきます。

しかし、健康な腎臓で1分あたり16cc程度の尿排出がリミットで、

それを越す水分を摂ることは、腎臓に過度の負担を掛けてしまうといわれています。

許容量をオーバーした水を飲むことは、腎臓の処理能力を超え、その水分が体内に留まり、

細胞が膨張し、その結果、低ナトリウム血症を引き起こしてしまうことにもなります。

ではそれらを深く掘り下げてみましょう。

●運動誘発性低ナトリウム血症

低ナトリウム血症とは、血液中のナトリウム濃度が身体に危険が及ぶ可能性のあるレベルまで

低下した状態を指します。

中でも運動により起こる低ナトリウム血症を、運動誘発性低ナトリウム血症と呼びます。

本来は体に良いもの(*例えばこの場合は水)であっても、それをとりすぎると、

身体に悪影響を及ぼします。

水分補給が一般的になった現代で、運動中や運動後に起こる低ナトリウム血症のほとんどは、

“水分の過剰摂取”によるものです。

●過剰な水分とはどれくらいの量?

低ナトリウム血症とはすなわち、水分の過剰な状態と定義されます。

例えば、運動中に起こる低ナトリウム血症は、水を飲みすぎたことによって起こる「体重増加」で

一つの目安になります。

通常、喉の渇きは、身体が水分を欲していることを示すよい指標であり、

必要に応じて喉の渇きをいやせば、1日の終わりには、身体の水分補給状況は正常に戻っています。しかし、運動中は喉の渇きを感じるタイミングが

『水分の必要なタイミングよりも遅れることが多い』ため、

アスリートは予め水分を摂取して、“汗による(水分)損失を補わなければならない”のです。

しかし、さらにそこに、喉の渇きが治まっても、周囲から水を飲むように促されることがあります。

それが原因で、低ナトリウム血症をきたすことになるのです。

運動誘発性低ナトリウム血症は、人によっては生命に関わる危険性があります。

そのため、医療と栄養の専門家はもちろん、一般の人もこの症状(現実)を正しく理解することが

重要になります。

例えば、過去20年間に、低ナトリウム血症により死亡したマラソンランナーの事例が

7件報告されています。※Dr. Bob Murray氏(米:Sports Science Insights設立者)

これまでに低ナトリウム血症で、多くの人々が命を落としています。

例えば、トレーニング中に水を飲み過ぎた自転車のアスリート、

長時間の行進中に水分補給をし過ぎた兵士、

その他、休憩中や運動中に水分を摂り過ぎた人たちなどです。

●低ナトリウム血症は、どんな症状?

軽いもので腹部膨満感、手足の指のむくみ、足首や手首のむくみから始まり、

脳の腫脹が起こると危険な症状が出始めます。

例えば、異常な疲労、激しい頭痛、協調運動障害、攻撃行動、錯乱、発作、昏睡などです。

●脱水症状と低ナトリウム血症

脱水症状と低ナトリウム血症の2つは同時に起こりえます。

低ナトリウム血症は、水を飲み過ぎたときによく起こるため、“水中毒”と呼ばれることもあります。 しかし、脱水症状を起こしたスポーツ選手にも低ナトリウム血症になる可能性があります。

汗でナトリウムを多く失い、そこで大量の水を摂取することで、

血液が低ナトリウム血症のレベルまで薄まってしまいます。

大量の高塩分の汗をかき、大量の水を飲んだとすると・・・

塩分損失と水分摂取の組み合わせ(アンバランス)により、

脱水症状と併せて低ナトリウム血症の両方が起こる可能性があります。

●水分補給状態のチェック方法

自ら定期的に練習前後の体重を測定するのが適切な方法ではありますが、

尿の色や量からチェックすることもできます。

水分補給が充分な場合、ヒトの尿は、リンゴジュースではなく、レモネードのような色になります。脱水症状になると、体内の水分量を維持するために尿量が少なくなります。

『尿の量が少なく色が濃い』場合は、“脱水症状”の可能性が高いといえます。

●ナトリウムの役割

ナトリウムは、細胞内外のバランスを調整等に重要な役割を果たします。

そして、ナトリウムは汗の中の主要な電解質でもあります。

したがって、大量の汗をかいたり、激しい下痢をしてナトリウムが排出されると、

倦怠感や食欲不振につながります。

積極的に競技に取り組む(*例えば毎日2回以上のトレーニングを行うアスリート)競技者は、

そのたびに大量の汗をかいていることは心に留めておく必要があります。

また、建設労働者、兵士、鉱山労働者、道路作業員、農業従事者も1日中汗をかいていますので、

同様にナトリウム摂取への意識は必要となるかと思います。

但し、それに属さない“日本人”は食事(日本食)から塩分を必要以上に摂っているため、

ナトリウム不足を過剰に意識する必要はありません。

●ナトリウムの過剰摂取の危険

ナトリウムを過剰に摂取した場合にみられる症状は、のどの渇き、血圧上昇、むくみなどです。

体内のナトリウム量が多くなると、濃くなったナトリウム濃度を適正な濃度に薄めようとします。

その働きで、細胞内の水分が血液中に移動し血流量が増えることから、

手足を中心に身体全体がむくみやすくなり、また、高血圧にもなりやすいといわれています。

また、ナトリウムを多く摂り過ぎた場合は、体外へ排出される仕組みになっています。

つまり余分なものは腎臓でろ過されて尿中へ出されますので、常に塩分を多く摂取している場合、

その排出作業のために、自ずと腎臓を酷使することになります。

さらに、日常的に食塩の摂取量が多い人ほど、

脳卒中や心疾患などの生活習慣病、胃がんのリスクが高まる可能性があることも報告されています。

厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準」2010年版においては、

食塩摂取量の目標値が「男性で9g未満、女性で7.5g未満」となり、

更に2015年版においては、『男性で8g未満、女性で7g未満』というように、

より厳しい(低い)数値に改訂されています。

〚ナトリウムと塩分〛

ナトリウム量(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)

食品に表示されている「ナトリウム量」は「食塩相当量(塩分量)」とは異なります。

例えば、成分表示の欄でナトリウムが500mgと表記されているのであれば・・・

500(mg)×2.54÷1000=1.27(g) となり、

食塩相当量としては1.27g含まれていることになります。

●意外と塩分を多く含む食品

1. パン

パンにも塩分が多く入っています。

賞味期限を伸ばしたり、パンを膨らますために塩分が必要だからです。

塩分が無いとふっくらしたパンができず、中身がぎっしり詰まった重たいパンができます。

パンの種類と食塩相当量[例]

食パン6枚切り 1枚 0.8g

ロールパン 1個 0.4g

2. 麺

麺に塩分が多いのは、味付けの為ではなくコシを出すためです。

小麦粉のグルテンという物質がコシを出す役割をしていますが、

塩分を加える事でグルテンが引き締められよりコシのある美味しい麺ができます。

麺の種類と食塩相当量[例]

ゆで うどん麺 (1食240g) 0.7g

ゆで 中華麺 (1食200g) 0.4g

手延べゆで そうめん麺 (1食200g) 0.7g

3.菓子・スイーツ

日頃食べているお菓子にも塩分が多く含まれています。

甘い団子やドーナッツにも多くの塩分が含まれています。

お菓子・スイーツと食塩相当量[例]

チョコレート ポッキー1箱 0.4g

みたらし団子 1本 0.6g

ミスタードーナッツ オールドファッション 0.6g

●スポーツドリンク・経口補水液

日本では、マスメディア等で熱中症対策としてスポーツドリンク等の飲用が挙げられていますが、

日常生活においてこれらの飲料を飲料水代わりに多量に摂取した場合は、

俗に「ペットボトル症候群」と呼ばれる、急性の糖尿病に陥る危険性もあります。

(*この場合、昏倒することもあり、すぐに専門医の治療を受ければ問題ありませんが、最悪の場合、放置すると死亡することもあります)

たとえ糖尿病にならなくても、スポーツドリンクに限らず糖分が含まれているソフトドリンクは、世界保健機関により虫歯と肥満の関連が指摘されています。

また、市販の有名な経口補水液500ml一本には、食塩1.46g相当のナトリウムが含まれています。 したがって、正常な状態で飲むとかなり“塩からく”感じます。

そして、ナトリウムの過剰摂取が心配されます。

健康な人間が日常的に飲み過ぎるのは避けなければなりません。

《まとめ》

①温度…5~15℃に冷やしたものが最適

 ⇒飲み物の温度は、身体内に溜まった熱を放散させます

②栄養分…ミネラル分が入っているものが効果的

  ⇒スムーズな吸収と発汗により身体から失われたミネラル分が補給できます

☆具体的には、塩分濃度0.1~0.2%、糖度3~5%が最適といわれています

※長時間続く場合は、適度な糖質の補給で疲労を遅らせることが可能。

⇧短時間の運動であれば水だけでも問題なし

③タイミング… 『喉が渇いたな』と感じる前に“適量”飲む

さらに具体的には・・・

運動前:運動直前(約30分前)に、250ml~500ml程度を数回に分けて飲む

運動中:1回に、1口~200ml程度まで(軽く潤す程度がベスト)

運動後:発汗等によって減った体重分を補う量を、数回に分けて飲む

したがって・・・

×ガブ飲み ×冷やしすぎ ×糖質過多・塩分過多 は、『禁物』

“適切な”補給が肝要です!!

大切なことはイメージや感覚ではなく、

水分摂取に対する誤りない認識を持ち、

それを正しく、確実に実行すること大切です。

#健康

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